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【薬剤師の異業種転職】未経験からIT業界へ転職した話

今の働き方に、「不安」や「モヤモヤ」を感じていませんか?

「遅くまで残業したり、休日に呼び出されたり。10年後もこの仕事をしているのかと思うと、正直不安になる…」

かつての私が、薬局の閉店後の帰り道に考えていたことです。

薬剤師という仕事に誇りはあっても、このままでいいのかという漠然とした不安。キャリアの閉塞感や、会社の理不尽さに疲弊する日々 。もし、あなたが少しでも同じような「モヤモヤ」を抱えているなら、この記事はきっとあなたの役に立てるはずです。

こんにちは。元薬剤師の、のりまきです。

私は、薬局長やエリアマネージャー、人事も経験した10年の薬剤師キャリアを捨て、未経験からIT業界へキャリアチェンジするという、大きな決断をしました。この記事では、その体験と学びを、包み隠さずお話しします。


この記事で得られること

  • 薬剤師からIT業界に転職するまでのリアル
  • あなたの薬剤師経験が、異業種で「武器」になる理由
  • ITスキルを活かして、副業や在宅ワークに繋げるためのファーストステップ

目次

1. なぜ薬剤師を辞めて、異業種へ?キャリアチェンジを決意した3つの理由

「安定した仕事をなぜわざわざ?」と、多くの人に言われました。しかし、私の心はもう限界だったのです。

調剤業務やマネジメントへのマンネリ、限界感

 日々の調剤・監査業務に、いつしか「やりがい」よりも「マンネリ」を感じるようになっていました 。薬局長やエリアマネージャーとしてスタッフのマネジメントも経験しましたが、慢性的な人手不足の中で効率化を目指して尽力するほど、疲弊していく自分がいました 。

人手不足・残業・理不尽な組織の中での疲弊

 極端な人手不足の中、応援体制の構築に奔走し、残業が月100時間を超える時期もありました 。医療費削減という逆風の中、会社の理不尽な指示にも「仕方ない」と言い聞かせていましたが、この組織で働き続けることに心身ともに疲れ果ててしまったのです 。

そんな八方塞がりの毎日の中で、一つの転機が訪れます。

 それは、人事部で採用業務に携わった経験です 。親会社が実施したWEB施策で採用成果が出たのを目の当たりにし、マーケティングの可能性に衝撃を受けました 。
薬剤師業界の外には、全く違う世界が広がっている。ITの世界なら、もっと自分らしく自由に働けるかもしれない!その好奇心が、日に日に強くなっていきました。

2. 「薬剤師→IT転職」は無謀じゃない!異業種でこそ活きる5つの強み

薬剤師のスキルは、実はIT業界でも高く評価されます。

「でも役に立たないでしょ?」と私も思っていましたが、実際に働いてみて驚くほど多くの場面で“活きる”と感じました。その理由を、5つに分けてご紹介します。

①相手の意図を正確に汲み取り、寄り添う力

 患者さんの言葉にならない不安に耳を傾け、スタッフと面談して働きやすい環境を作る 。この経験で培った「相手の意図を正確に汲み取り、解決策を考える力」は、顧客の課題を理解し、チームで円滑に仕事を進める上で、非常に役立ちます。

② 複雑な問題を解きほぐす論理的な思考力

 処方箋の意図を読み解き、疑義照会を行う思考プロセスは、ITの世界で言えば「バグの原因特定」や「要件整理」と本質的に同じです 。医療もITも、複雑な問題を構造的に解決する力が求められます。

③ 現場をより良くする改善視点

 企業から見ると「未経験」でも、“現場視点で物事を改善できる人材”や“論理的に考えられる人”は、教育コストが低いと歓迎されます。薬剤師として積み上げてきた現場改善や分析の力は、そのままビジネスの武器になります。。

④ 数字と向き合い、判断する力

 薬局長やエリアマネージャーとして、処方箋枚数や売上といった数字と向き合い、改善策を考えてきた経験 。このデータ(事実)に基づいて判断する力は、勘や経験だけでなく、客観的なデータが重視されるITビジネスの世界でも、高く評価される資質です。

⑤  新しい知識を学び続ける姿勢

 私たちは、膨大な学習量を乗り越えて薬剤師国家試験に合格しています。この「新しい知識を学び続ける姿勢」は、技術の進化が速いIT業界において、信頼される素養の一つになります。

これらは、あなたが薬剤師として真剣に仕事と向き合ってきたからこそ身についた、どの職種でも高く評価される共通スキルです。

IT転職はゼロからのスタートではなく、すでにこれだけの強みを持って、進むことができるのです。

3. ITスキルをゼロから学ぶには?未経験者が「できた!」と思えた学習ステップ

とはいえ、私も最初はPCの基本操作レベル。プログラミングなんて未知の世界でした。そんな私が、どうやってITスキルを身につけたのか。そのステップをご紹介します。

Step1:職業訓練校で「学ぶ道筋」を手に入れた

 何から始めればいいか全く分からなかった私にとって、職業訓練校は「学ぶべき道筋」を示してくれる貴重な機会でした。 半年間でWeb系の基礎(HTML/CSS/JavaScript/PHPなど)を体系的に学べるコースに申し込み、これが全ての始まりでした。 失業給付とは別に支援金を受け取りながら学べたことも、経済的・精神的な大きな支えになりました。

Step2:しんどいけど「楽しい」。自分に合った方向性が見えてきた

 正直、完全な異業種での学びは簡単ではありませんでした。 しかし、不思議と「しんどい」と感じることは少なく、「面白い」という感情が常に上回っていたのです。
自分が書いたコードが、目に見える形でWebページとして完成していく。その「形にする満足感」が、何よりの原動力でした。この時、コードを書き続けるエンジニアよりも、全体をまとめたり、何をどう作るか提案したりする側の方が自分には合っているかもしれない、と自分の適性に気づき始めました。

Step3:仲間と一緒に、ひとつのサイトを作った経験が自信に変わった

 学習のモチベーションを維持できた最大の要因は、同じ目標を持つ「仲間」の存在でした。 グループで紹介サイトを制作する課題では、自然と自分がディレクション的な役割を担っていました。一人ではできないことも、チームで役割分担すれば形になる。この経験が、IT業界で働く上での大きな自信に繋がりました。

4. 【未経験転職の現実】20社応募で書類通過4社。薬剤師の私が直面した壁と突破口

自信をつけた私は、いよいよ転職活動を開始。しかし、現実は想像以上に厳しいものでした。

「不採用」の連続に、心が折れかけた

 約20社に応募したものの、書類が通過したのはわずか4社程度でした 。資格さえあれば引く手あまただった薬剤師時代には、書類選考で落ちるという経験はほとんどありません。だからこそ、「社会から必要とされていない」と感じるこの現実は、想像以上にこたえました。
なんとか通過した面接でも、「なぜ薬剤師から?」「給料が下がってもいいの?」という本質的な質問を浴びせられます 。最初はうまく答えられませんでしたが、回数を重ねる中で「なぜ自分がIT業界で働きたいのか」という想いを、自分の言葉で伝えられるようになっていきました。

渾身の作品(ポートフォリオ)も、通用しなかった

 職業訓練校で仲間と作り上げたサイトを「ポートフォリオ」として提出しましたが、面接官からは「このレベルでは正直、厳しいですね」と、率直なフィードバックを受けました 。自分のスキルの未熟さを、改めて突きつけられた瞬間でした。

しかし、突破口は意外な場所にあった

 ITスキルだけをアピールしてもダメだ。そう気づいた私は、「薬剤師、マネージャー、人事としての経験を通して、自分はどのように会社に貢献できるか」という、過去の経験を伝える戦略に切り替えました。
すると、ある企業から「営業経験はなくても、君の提案力があるならインサイドセールス(内勤営業)としてどうか?」と思いがけない逆提案をいただいたのです 。
自分の強みを、相手が求める「文脈」で語れるか。それが、未経験転職の鍵でした。

5. 入社後も迷った。だけど「エンジニアじゃなくても、ITで働ける」道があった

苦労の末の内定。しかし、当時の私には「IT企業で働く=エンジニア」という固定観念があったため、営業職として働くことに、正直なところ違和感を拭えませんでした。

なんとか追いつこうと、入社後もエンジニアの勉強を続けてみましたが、そこで自分の限界を痛感します。職業訓練校で感じていた「自分はコードを書く専門家タイプではないかもしれない」という予感は、確信に変わりました。「自分はエンジニアにはなれない…」という現実に直面し、キャリアチェンジしたにもかかわらず、再び道に迷ってしまったのです。

ですが、私には別の道が用意されていました。

現在は、営業やディレクション、コンサルティングに近い業務を担当しています。そこは、ITの知識はもちろん、薬剤師として培った分析力、人事として身につけたコミュニケーション能力といった、これまでの経験がすべて活かせる場所だったのです。

コードを書くことだけが、IT業界の仕事ではない。自分の強みを活かせるポジションは、必ずある。

それに気づけた時、目の前がパッと開けるような感覚でした。

6. 副業・在宅ワークも視野に。ITスキルが広げてくれた「働き方の自由」

IT業界に転職して、働き方は大きく変わりました。一番の変化は、「時間の使い方」と「精神的な余裕」です。

薬剤師時代は、常に患者様が優先。急な対応も多く、残業で自分のスケジュールをコントロールするのは困難でした。しかし今は、自分の裁量で一日のタスクを組み立て、仕事を進めることができます。この「自分で時間をコントロールできる感覚」が、心の余裕に直結しているのです。

もちろん、時間だけでなく働く場所の自由度も格段に上がります。IT業界にはリモートワークが可能な求人も多く、将来的にはフリーランスとして独立するという選択肢も、現実的な視野に入ってきます。

自分の得意を活かした副業も可能に

そして、こうした時間と心の余裕が生まれたことで、以前は考えられなかった新しい挑戦も可能になりました。

身につけたWebの知識を活かし、このブログのように情報発信を始めたのもその一つです。将来的には、自分の強みである「提案・調整・文章化」を活かした「ディレクター型副業」や、「Webマーケティング×医療」といった専門性を掛け合わせた仕事にも挑戦したいと考えています。

7. 明日からできる「最初の3ステップ」:転職しなくても、まずここから!

この記事を読んで、少しでも心が動いたあなたへ。

大丈夫、いきなり大きな決断をする必要はありません。まず、ここから始めてみませんか?未来を変えるための、ごく小さな「最初の3ステップ」です。

① ProgateなどでHTMLに触れてみる

 まずは、無料のプログラミング学習サイトで、Webページがどう作られているのか体験してみてください。「自分にできるか不安」と感じるより、「面白いと思えるか」を試す。それが一番の自己分析になります。

② ハローワークや地域の職業訓練校を検索してみる

 私が実際に利用した「職業訓練校」のサイトを、一度覗いてみてください。あなたが住む地域にも、無料で、あるいは補助を受けながら学べる環境が、意外とたくさんあることに驚くはずです。

③ SNSで「#薬剤師転職」「#異業種転職」と検索してみる

 SNSで検索すれば、あなたと同じように悩み、行動している仲間がたくさん見つかります。決して一人ではないと知るだけでも、心は軽くなり、次の一歩を踏み出す勇気が湧いてきます。

8. まとめ:あなたのキャリアは、もっと自由になれる

かつての私のように、キャリアに悩み、立ち止まっているあなたへ。

異業種への転職は、「逃げ」ではありません。あなたの未来の選択肢を増やすための、前向きな挑戦です 。

そして、あなたが薬剤師として懸命に働いてきた経験は、決して無駄にはなりません。むしろ、新しい世界でこそ、あなただけの価値になります 。

完璧な準備ができる日など、永遠に来ません。大切なのは「やってみたい」という、あなたの今の気持ちです 。その小さな一歩が、必ずあなたの未来を広げてくれます。

あなたのキャリアが、もっと自由に、あなたらしく輝くことを、心から応援しています。

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